【第3回】柘製作所に聞いた! 手巻きたばこの巻き方、ブレンド方法|CAPNOS

【第3回】柘製作所に聞いた! 手巻きたばこの巻き方、ブレンド方法

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ヘビースモーカーで「タバコなら加熱式、電子、紙巻きなんでも来い」の編集者・ライター。一番好きなタバコは台湾の「新楽園」という銘柄。
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『CAPNOS』のシャグレビューでは、加熱式たばこ・手巻き双方の喫味の違いをご紹介しています。

特に手巻きで試すにあたっては、様々なアイテムが必要になりますが、その情報は極めて少なく、慣れないとなかなかうまく使いこなすことができないのも事実です。

そこで、あらゆる喫煙具を扱うカリスマブランド・柘製作所の代表取締役の三井弘司社長を突撃取材! 全6話で、手巻きたばこの謎について教えを請います。

第3回の今回は、前回に引き続き、手巻きたばこに親しんでも、実はよくわからないままの方も多い「シャグの謎」についてさらに疑問をぶつけてみました。

↑柘製作所代表取締役の三井弘司社長。10代の頃からのライター好きが高じて喫煙具に魅了され、ファッション業界から同社に転職。パイプ作りの見習いから始まり、30年以上の勤務を経て社長の役職に。バイク、洋服など、多彩な趣味を持たれている方です

手巻きの疑問「湿度や粘度のあるシャグを上手に巻くのはどうしたらいいの?」

ーーシャグの中には湿度、粘度を持つものもあります。

こういったシャグを巻く場合、ついギュウギュウに詰めすぎてしまい、「火をつけてもうまく吸えない」ことがよくあります。どうしたら良いでしょうか?

三井弘司社長(以下、三井) そもそもの話になりますが、たばこにはある程度の湿度を与えるほうが美味しくなるんです。

我々が推奨している湿度は下記になります。

  • 手巻きたばこ=含水量17~18%
  • パイプ用たばこ=含水量25%前後

 

ーー数字だけを聞くと、結構多いような気がしますね。

三井 これよりも含水量が少ない、かなり乾いているシャグもありますけど、辛味が強くなる傾向があります。

また、逆に上記より含水量が多くなると甘くなるのかと言うとそうではなく、今度は渋みとかエグみが出てしまう場合があります。

喫煙者個々に好みはあると思いますが、我々が推奨するのは上記の含水量で、たとえば乾いたシャグを購入した際は、加湿用の石も入手していただき、併せてお使いいただけると良いと思っています。

また、肝心の湿度、粘度のあるシャグをどううまく巻くかですが、ローラーで詰まりすぎてしまう場合は、完全に自分の手で巻くと良いと思います。

あるいは、喫味に変化は起きますが、そのシャグの湿度があまりに高い場合は、シャグを袋から出して、数分放置しておくと良いです。

たった5分でも水分って抜けますので、これも試してみると良いと思います。

↑柘製作所によるシャグ用の加湿石、テラコッタ加湿器。石のほか、アルミタイプなど様々なシャグ用加湿器を展開しています

手巻きの疑問「手巻きする際の、本当に正しいやり方ってあるの?」

ーー手巻きの方法を色々試してみてはいるのですが、やればやるほどどれが正解なのかがわからなくもなっています。

三井 前項では湿度の話をしましたが、ただ手巻きたばこは、「これが正解!」っていう方程式通りにはいかないんですよ。

完全な手巻き、ローラーを使っての手巻き、チュービングマシンを使っての手巻きなど、様々なやり方をご自身でトライ&エラーを繰り返して、一番美味しいやり方を見つける……これこそが嗜好品の醍醐味ですから。

パイプなんか特にそうですけど、「これすごく美味しいよ」と他人に勧めても、ある人にとっては「辛くてダメだ」「強すぎてダメだ」となることはよくあります。

本当に好みは人それぞれですから、自分のベストなシャグ、湿度、巻き方を試すと良いと思います。

ただ一つ言えることは、どんな巻き方であっても「良い原料を使っているたばこやペーパーを使うと総じて美味しい」ということ。

たばこって嘘がつけないもので、安いたばこはそれなりの味。高いたばこはやっぱりうまいんです。

↑柘製作所のカタログには、一般的なローラー、ローリングマシン、完全な手巻きのほか、「特別な巻き方」も紹介されていました。なかなか奥が深いです

手巻きの疑問「シャグ同士のブレンドのコツはあるの?」

ーー無数にあるシャグをブレンドして嗜む人もいるようです。この際のコツはありますか?

三井 まさにブレンドこそ方程式はないですよね。組み合わせは無限大で、嗜む人それぞれが手探りで良いブレンドを見つけていくしかないです。

ただ、ほんの少しヒントを挙げるとすると、無闇やたらにどんなシャグでもブレンドすればうまくなるっていうもんではなく、例えばシャグをブレンドをする際に、香料が使われていないバージニア葉をベースにすると、すごく良いです。

バージニア葉をベースにしたシャグでよく知られているのは、マニトウといったものですが、これは香料が使われていない、たばこ本来の喫味を楽しめるものです。

このバージニア葉をベースにしたシャグに、例えばブラックスパイダーのレモンティーをひとつまみし、10対1くらいからブレンドしていき、5対5くらいまで何度か試してみる。すると、自分だけの美味しさを見つけられるかもしれません。

あとは、バージニア葉ベースの手巻き用たばこに、パイプたばこをひとつまみ入れて吸う人も結構いるんですよ。

仮に同じバニラフレーバーであったとしても、手巻き用たばこと、パイプたばこのバニラではパイプたばこのほうが香料が強いこともあるので。

このように愛好家の方の多くが手探りでいろいろ試しているのですが、これを繰り返していくうちに、いつか自分だけの喫味が見つけられると思います。

 

ーー本当に奥が深いですね。

三井 シャグのブレンドは手巻きたばこの醍醐味だし、まさにパズルの組み合わせなんですよ。

品質の良いシャグ、品質の良いペーパーを使うのは最低の条件ですが、ご自身に合った巻き方、ブレンドを試していただければと思います。

↑三井社長が推薦してくださったブレンドする際のベースとしてお勧めのシャグ・マニトウシリーズ。いずれもバージニア葉をベースとし香料を使っていないもの。左がゴールド缶、80g入り、2320円(税込)。右の3種がそれぞれゴールド、ブルー、オーガニック、各30g入り、880円(税込)

次回もさらに深く、手巻きたばこおよびシャグの秘密について三井社長にお話をお聞きします。お楽しみに!

次記事:【第4回】柘製作所に聞いた! スローバーニング、フリーバーニングとは?

 

▶︎ 取材記事リンク

【第1回】柘製作所に聞いた! 手巻きたばこの歴史

【第2回】柘製作所に聞いた! シャグのペーパーの疑問

【第3回】柘製作所に聞いた! 手巻きたばこの巻き方、ブレンド方法

【第4回】柘製作所に聞いた! スローバーニング、フリーバーニングとは?

【第5回】柘製作所に聞いた! 手巻きたばことヴェポライザー、パイプ、キセルの違い

【最終回】柘製作所に聞いた!たばこの未来

 

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